債権者代位権と詐害行為取消権(行政書士の勉強③)
債権者代位権と詐害行為取消権の問題を解いたのでこれらの論点をまとめてみます。
要件
①金銭債権である
②被保全債権が金銭債権である
③債務者が無資力である
④弁済期が到来していない
⑤一身専属権でない
行使の仕方
・裁判上、裁判外の両方で行使が可能
・債権者の名義で行使する
・代位の目的が動産、金銭債権の場合は「債権者に直接弁済せよ」と請求することができる(→事実上の優先弁済となる)
・代位の目的が不動産の登記移転請求権の場合は債権者に対して履行させる意味がないので債権者への直接の履行を命じることはできない
効果
・行使の範囲は被保全債権の範囲に限られる(被保全債権の額を超えることができない)
・債務者は代位行使の目的債権の処分権限を失う
・代位行使後に得られた財産は、全ての債権者のための責任財産となる
【債権者代位権の転用】
金銭債権以外にも転用できることがある。
なお、これらの場合は無資力要件が必要ない。
①不動産の登記移転請求権
②債権の譲渡通知請求権
③所有権に基づく妨害排除請求権
☆詐害行為取消権
要件
②詐害行為以前に被保全債権が成立している
③債務者が無資力である(債権者代位権と共通)
④債務者に詐害意思がある
⑤受益者・転得者の悪意
⑥詐害行為が財産権を目的とする
行使の方法
・裁判上でのみ行使できる
・取消し対象の債権の目的物が金銭、動産の場合は債権者への直接履行を請求できる
・不動産の登記移転請求の取消の場合は債権者に直接履行せずとも目的が達成できるため
効果
・被保全債権の範囲に限られるが、取消権行使の目的債権の目的物が不可分のときは、目的物の全体に取消しの効果が及ぶ
・総債権者のための責任財産となる