アラビアンナイトと自分を貫くことと信頼
国際女性デーにTwitterで流れてきた物語から考えたことです。
https://twitter.com/ebine_comix/status/1633400143470018561?s=46&t=1LP6nyqsuwPfIeRVBPpl1A
↑はモロッコの少女のお話です。イスラム圏なのでアラビアンナイトのことが少し触れられていました。
アラビアの千一夜物語は、妻に不貞を働かれて女性不信になったペルシャ王が、毎夜面白い話をしてくれる美女シェヘラザードに感化されるお話です。
女性不信だった王は毎晩、生娘を妻に迎えては翌日斬首することを繰り返したわけですが、シェヘラザードは妻らしいこと(お察しください)をしないことで王の信用を取り戻した、ということです。
「王様に嫁いだから」といって簡単に寝所を共にしてしまう女性が嫌だったのですね。(なんてワガママな王様だ)
まあ「王様に嫁いだから寝所を共にしなければ」というのは普通の女性なら思うでしょうし、これで斬首は残酷すぎます。
シェヘラザードは賢かったので、「王が欲しているのは…女性への信頼感だ!」と気づいて、
深夜の面白トーク×1000回で解決したわけです。
私は1000回もセックスを回避したでしょ、と。
面白いのは、イスラム圏は男女差別が激しいイメージがあるのに、アラビアンナイトが女性の知性を肯定的に描いていることです。
武力を持っている男性に女性が対抗できるとしたら、それは相手を説得したり、いなしたりする知性だということを暗示しているように思えます。
これはイスラム教の貞操を大事にする教えとも矛盾しないのでしょう。
イスラム圏ではこういう考えを母娘で受け継いで来たのかな〜、と思ったり。
自分のやり方を貫いて王様の信頼を得たシェヘラザードは本当に知的でかっこいい女子です。
仕事とかでも、頑固に自分のやり方を貫いてるくらいの人の方が、きっちり仕事してくれる信頼感がありますね。
でも、これってあくまで男性目線に立ったイイ女だと思うので、行き過ぎると「他の男と目を合わせた妻は殺していい」みたいな思想にもなりかねないですよね。
かといって、女性が男性と同じようにフリーセックスしてもいいじゃんみたいな(フェミニスト的な)考え方で、女性の地位が向上するかと言うと、
それは表面的な事象が対等になっただけであって、男性から知的な存在として見てもらう手段には、なっていない気がするんですよね。
まとめると、男性も女性も、
ペルシャ王みたいに理想を押し付けすぎたりせず、
理性的に相手を尊重できたら、もうちょっと平和な世の中になると思いました。